pp18の3回目

ゼンタングル®︎プロジェクトパック18の3回目配信がありました。

マリアさんのうっとりする描画。今日は半透明タイルにバーディゴーというタングルのモノタングル(一つのタングルだけでできている)です。

ジュラスまたはホラス ホフネグルさんという、マリアさんに大きな影響を与えてくれたアーティストのイラストに使われているアイデアを紹介してくださいました。

「この紙にぴったりだと思います。」

この紙は中世に山羊や羊の皮から作られたベラム紙に似ているらしいです。私も不勉強でベラム紙がどんなものだかよく知らないのですが、、半透明の良さを活かしたアイデアです。

美しい紙に感謝して スタートです。


ちょっと笑ってる様な線を2本、鉛筆で書きます。結構間を開けておかないと後で困ります。

バーディゴーは古いタングルです。何度も書かれた方も多いかもしれませんね。

2本の鉛筆の線の後ろを通る様に茎を描きます。ドロービハインド(後ろに描く)はしょっちゅう出てくる言葉です。

マリアさんは何も考えなくても手が勝手にディテールを描いちゃうみたい。綺麗です。

針の様な葉っぱを、真ん中の線を気まぐれに描いて(これがイキイキとした感じを与えます)、2本の線は細ーいオーラになるように慎重に描きます。リックさんが「テイクオフアンドランド」と、これもよく出てくる言葉です。滑らかに線がくっついていくようにペンを動かすことですね。

一枚だけ、鉛筆で書いた帯の手前にあるように描きます。

葉っぱが大体同じ方向に並ぶように左側に描いたら、右側にも同じように。ここら辺は動画を見てくださいね。カットしてある部分(鉛筆の線で書いてある)にかかる葉っぱは、帯の下にあると想定して書かないでおきます。

今のところは葉っぱはどれも重なっていません。次の葉っぱたちは重なる様に配置して、後ろにある様に描いて行きます。

ローズマリーの葉っぱ、松の葉っぱみたいな針状の葉っぱです。綺麗です。「自然て本当に素晴らしいわね。」とマリアさん。大体同じことが繰り返されるように、葉っぱを増やして行きます。

「同じ方法を何度も何度も繰り返して描いていく、という描き方の繰り返し。仕組みとしてわかりやすい方法で繰り返していくと、とても嬉しい、混沌とした結果が生まれます。結果的にとても自然なもののように見えてきます。」とリックさん。「自然はそんなふうに混沌としてるの。」とマリアさん。「ほとんどの葉っぱはそんなふうにパターンで茎から生えています。これは自然が育っていく方法を認識してるの。」パターンという言葉から連想するものと、混沌が繋がってるって面白いです。

日本画でスケッチしてる時、その植物独特のパターンを踏まえた上でスケッチしないと、先生に「これはダメ」と言われたものです。露草には露草のパターン、紫陽花には紫陽花のパターンがあります。まれにそれに乗っかってない気まぐれな葉っぱも混じりますが、それを強調してスケッチすると、その種類の植物に見えないです。そんなことを思い出しました。

「普通はパターンだって思わないかもしれないけれど、これはタングルなの。描いて、繰り返していく。線を、部分を、形を繰り返して行きます。」「これはタングルするということと、描写(写生)するということの違いをよく表しています。私たちは写生してるわけじゃなくて、ホリバースタイル(後ろに後ろに書き足す)やり方でこの形を繰り返し描いています。」「この書き方でこんなに綺麗なものが描けるって予想できないし、素晴らしいですよね!」と、マリアさん。もう何万回もこのタングルを書いてるであろう二人が、毎回新鮮な驚きと感動を示してくれることで、私たちもタングルすることの素晴らしさにあらためて気付かされます。バーディゴーは特に顕著なタングルですが、 模様を描くことを繰り返すことであたかも写生したかの様な結果を得られます。

同じ手法を繰り返してどんどん葉っぱを増やします。最初はあれ?と思っていても、葉っぱが増えていくにつれて自然のローズマリーを描いたかのようなものができます。

マリアさんは」所々に、虫に食べられた葉っぱを足したり、帯の向こうに潜っていく葉っぱを足したりされました。

「自然の中にあるものや、建築物や、自分のイマジネーションから何かを見つけて、インスピレーションをもらって構造を見つけて描きます。自然を模倣(模写)するのとは違います。」とリックさん。自然の中にあるパターンを見つけて取り込むことで、こんなふうに描けるんですね。


もう1枚、もう1枚と増やして行きます。マリアさんは「もう10枚!」とどんどん書き足していかれます。曲がった葉っぱ、虫食いの葉っぱを描いても大丈夫。好きな感じで。たくさんの葉っぱは、全部同じ様でいて全部違います。

「秋になると無数の葉っぱが地面に落ちます。葉っぱは無数にあるのに、全く同じものはありません。同じ木から生えてる葉っぱでさえ1枚1枚は違います。」

マリアさんが描くものと全く同じものを描こうとしないで、マリアさんからインスピレーションを受けて自分の葉っぱを描いてくださいね。

マリアさんはリックさんからインスピレーションを受けてツイストした葉っぱを描かれました。

後ろに後ろに書き足していくので、だんだん複雑になってきてゆっくり気をつけて描かないといけなくなってきます。慎重に。


鉛筆で書いた線をペンで書き起こします。紙が切れているかのように。

ローズマリーの小枝が差し込まれてる様に見えてきます。


さあ!ここから、この紙ならではのステップです。

裏返して、差し込まれたローズマリーの小枝が紙の裏側ではどんなふうになってるか、描きます。まずは茎から。マリアさんの茎はガタガタッとした線です。味があります。

表に書いた葉っぱが裏側からどう繋がってるか、想像しながら描きます。

”You can do this”とマリアさんが繰り返してくれます。ゆっくり描いてくださいね。とリックさんも声をかけてくれます。「描く過程をtrust 信じて描いてくださいね。」

裏から描いた都合で、表にこの葉っぱの先が出てるはず、と思ったら裏返して描き足します。

ただし、いつものタイルよりこの紙ではインクが乾くのにちょっと時間がかかりますから、気をつけて。

「何度も何度もこの紙を試して描いてみてください。そうしたら心からこの紙に描く、飾るやり方がわかるから。そしたら他のタングルも描けますよ。」新しい素材なので、何度も試すように提案してくださってます。

「これをするとき、途中で自分の描いてるものを評価しないでくださいね。特にこのタングルは、描き終わった時に魔法のように正体を表しますからね。」とリックさん。「描いてる時は描いてる一筆に集中してください。この素晴らしい一筆です。」と。つい描いてる最中に「なんかもうひとつだなあ。」とか、「自分のは全然マリアさんのと違う。」とか途中で悪い方に評価しがちです。でも、過程を信じて一筆に集中してると、あら不思議。心配してようが、していまいが、魔法の様にできてしまいます。どんなタイルも、一筆一筆でできています。

で、終わったかに見えて、マリアさんはなかなかペンを置きません。また1枚、また1枚と足していかれます。または茎にちょっと表情を足されたり。

裏にもカットされた紙を描いて。

マリアさんがこの絵描きさんの作品を見てほしいとおっしゃるのですが、検索で出てこなくて。別の動画の時に本を見せてくださるそうです。楽しみ。

「見て!見て!」とマリアさん。嬉しそうです。

シェーディングは「気をつけて見ててね。」決まった場所に入れます。こうすると小枝が差し込んであって紙が折れ曲がって浮き上がってるように見えます。「とても微妙な影を入れます。濃くしすぎる必要はありません。」

「すごいでしょ!かっこいい!。」と、子供のように楽しんで描いていかれます。マリアさんのこういうところが大好きです。

片側はほんの感じだけ。ちょっとだけ鉛筆の粉を入れてさっぴつで伸ばします。

小枝の中の、下になっている部分にも影を入れます。裏側にも。

カラーチャコールで色を入れます。これはみんな違う色が配られているので、好きな色を。

マリアさんは鉛筆用のさっ筆でぼかしていかれます。お好みで。「汚れた水を使う絵描きさんの話してたわよね。」と。私も水彩絵の具のパレットは洗いません。汚れたままにしておくと微妙な混色が生まれます。マリアさんのさっ筆にもそんな意味があります。

最後までとても楽しんで描かれました。私も楽しかったです。





美鳥’s Midorish

猫アーティスト ゼンタングル®︎認定講師CZT 楽しく描いてハッピーに!

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